国試対策

2023-09-26

感染症学Learning

まずは医師免許取得!症例や問題を取り上げ、傾向と対策を分かりやすく説明しています。

みなさんお疲れ様です。病院実習や病院見学の合間に国家試験の勉強は始めているでしょうか?休み時間の15分や休みの日の1時間の努力が大切ですからね。頑張りましょう。さて今回は覚えることが多く(?)
少し遠ざけられがちな感染症法についてです。それでは早速いきましょう。

1.1類感染症

7疾患です。一番やばいのはやはりエボラ出血熱ですかね。
ラッサ熱を除いてはどれも致死率数十%ということで、どれもやばいです。
ここ百年で、国内で発生報告があるのは痘そう(天然痘)くらいですかね。1類感染症は検疫感染症の14疾患に含まれます。
国内に入ってきたらまずいということです。7つの感染症の名称にはよく目を通しておきましょう。ちなみにペストのみ細菌で他はウイルスです。

2.2類感染症

7疾患です。1類感染症を覚えて、もう頭に入んねーというそこのあなた。今から2類感染症を見ていきましょう。
急性灰白髄炎(ポリオ)は撲滅されたといわれています。みなさんもよく知っている結核は、年間1万3千人の新規患者が出ています。
ジフテリアは、ここ20年ほど報告はありません。SARS、MERS、鳥インフルエンザは国内での発生報告はありませんが、近隣諸国で感染者が出たことがありました。
1類感染症と2類感染症(加えて新型インフルエンザ等感染症)は入院勧告が可能です。逆に放置すると、感染性、重篤性から極めて危険性が高いということになります。

3.3類感染症

細菌性下痢や血便などを起こす感染症です。国内でも報告例があります。(腸管出血性大腸菌は、2020年は3094人)
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌、腸チフス、パラチフスの5疾患です。
3類感染症は、入院勧告はできませんが就業制限はできます。試験に問われやすいポイントです。

4.4類感染症

44疾患と非常に多いですが、一言でいえば人畜共通感染症です。
E型肝炎、ウエストナイル熱、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、狂犬病、サル痘、
ジカウイルス感染症、つつが虫病、デング熱、日本脳炎、マラリア、ライム病などなどです。
4類感染症は入院勧告、就業制限ともにできません。消毒や駆除は強制的にできます。

5. 5類感染症

たどり着きました。5類感染症です。全数把握の24疾患と定点把握の25疾患があります。
全数把握の疾患の例としては、後天性免疫不全症候群(AIDS)、梅毒、麻疹などです。定点把握の例としては、
新型コロナウイルス感染症が2023年5月8日から5類感染症の定点把握に切り替わっています。

みなさんここまでお読みいただき有難うございます。この記事でアウトラインをつかんでもらって、また教科書などでみっちり勉強してもらえると理解が深まるかと思います。最後に今日のクイズです。

Q 新型コロナウイルス感染症は現在、感染症法上でどのように位置づけになっているか。

a 1類感染症
b 2類感染症
c 新型インフルエンザ等感染症
d 5類感染症 全数把握
e 5類感染症 定点把握

答えはeですね。お疲れさまでした。

時間のある方は、参考資料として以下の論文をご覧ください。

感染症対策の歴史的展開と 新型コロナウイルス感染症対策

著者プロフィール

ペンネーム:まる
プロフィール:近畿一円をまたにかけ、
ある時はクリニックで総合内科診療を、ある時は上場企業で産業医を、また様々な会社の健康診断の診察医も務めている。
日々の診療を行いながら、CES医師国家試験予備校で、「気づきのあるインプットと自力のアウトプットがある授業」
をモットーとして学生の指導に当たっている。僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。一緒に頑張りましょう!

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