医学生が今やるべきこと

2023-07-05

【現役予備校講師が教える!】4年生が夏にすべきこと -CBTの攻略法-

いよいよ夏。ここから始めるCBTの攻略法は…? ~国家試験対策 夏編~

【新学期が始まり、はや2か月】

COVID-19が5類へと引き下げになり、色々な環境の変化があった事だと思います。4年生の皆様は現在、どのようにお過ごしでしょうか。

おそらく、多くの生徒さんがCBT対策でバタバタしていることだと思います。そこで今回はCBTにフォーカスを当てて、様々な視点からお話をしていこうと思います。

皆様の今後の勉強に役立てば幸いです。

【え、7月は直前期!? CBTの日程は学校によりそれぞれ】

実はCBTの日程は学校ごとによって異なり、最短で8月に実施される為、7月はCBTの直前期という人たちがいます。
まずはこういう方々に関してお話をしていこうと思います。

直前期だからこそ、今あなたは焦ってはいないでしょうか。その気持ちは凄くよく分かります。
僕もかつて学生だった時は、CBTやOSCEの直前期というのはパニックに近い精神状態で慌てふためく、という事がよくありました。
そういう時は、まずは風呂に入り、お茶でも飲みながら、まず何をやり何をやらないかを決めるのがベストです。

例えばですが、直前期はとにかく時間がないでしょうから、黙々と再現問題集を解き、
手際よく間違った暗記問題を復習するということをやり続けるというのは如何でしょうか。
1か月前となると、理解を要求されるような問題をゆっくりと復習するにはあまりにも時間がありません。
知識問題は覚えさえすれば点数は伸びますから、だからこそ7月が直前期という方は、もうある程度理解系の問題の間違いは割り切ってしまって、
知識問題を蓄積することに集中するというやり方がスマートかもしれません。

また一般的にCBTに関しては再現問題集を合計3周する事が推奨されていますが、この際に注意する必要があるのが、どのような形で3周目をやるかという事です。
おそらくこの直前期に3周目をやる方が多いのではないかと思いますが、その際には徹底的に1週目、2週目で繰り返し間違えた問題の解説をしっかりと読み込み、
場合によっては書いてまとめ、復習するという事が大切です。
復習の際には誤答選択肢の一問一答ノートを作る事も有効です。一人でやることが苦手な人でも、この一問一答ノートを作っていると、
これを元に友達と〇×問題の出し合いをすることができるので、楽しく勉強ができるかもしれません。ぜひお試しください。

ひまわり

【今からCBTの対策を始めよう、という人たちは】

先ほどのようにCBTの直前期という人たちに対して、これからCBTの対策を始めていこう、これまでCBTの対策をやってきたけど、
何だか行き詰まりを感じているという人もいる事だと思われます。次はそういう方々について考えていこうと思います。

まだ直前期ではないからこそ、どういう風に勉強をしていこうか? というスケジュールの立案・修正をできる時期になります。
だからこそ、今一度CBTではいつまでに、どの量の勉強を要するのか、1日に自分がCBTの勉強にさける時間はどれくらいなのかを再度確認しておきましょう。

先ほども言いましたが、CBTの対策においては予備校の講義以上に、再現問題集を3周やるという事はマストだと言われています。
その理由は皆様もよくご存じでしょうが、CBTは膨大な過去問題のプールから成り立っており、
再現問題集をしっかりとやっておくと類似した問題に行き当たってその分点数に繋がる確率が上がるからです。
ただし、ここにはいくつかの留意点が存在する事を忘れてはいけません。

第一に、再現問題集の問題そのものや解答は、ただ暗記しても実際の点数に繋がらないということ
。これは何故かというと、再現問題集は過去問題集ではなく実際の問題の再現である為、
実際の問題と解答や問題文の細部が異なり、問題を丸暗記していっても正答にならないことがよくあります。
だからこそ、再現問題集を解く時は他の解答も含めて記憶し、可能であれば解説を読み、書いてまとめる勉強をしていく事が重要です。

第二に、解いてみれば分かりますが、思っているよりも基礎医学分野の出題数が少ない、という事。基礎医学以上に明らかに臨床医学の問題数が多いのです。
だからこそ、もし学習が終了していない科目があるならば、それらは優先的に終わらせた方がいいでしょう。

因みに問題の解き方も要領もあります。1周目はとにかく数を解くということを意識し、2周目から見直しをやっていくというやり方がお勧めです。
1周目はまず何が分かっていないかの把握のためにやるのです。

そういう留意点に気を付けて再現問題集に挑んでいけば、比較的効率よく再現問題集は進めていけます。
とにかく再現問題に関しては見たことがない問題がない、という状況を必ず作り上げてください。それがCBTの勉強では最も重要になります。

それ以外にももう一つ皆様に注意してもらいたいのは、CBT模試は1回でいいのでどこかの予備校のものを受験した方がいいということです。
やはり、そうでなければ本番の感覚が掴めないのです。ぶっつけ本番というのは、とんでもないプレッシャーになります。

【CBTは他校の生徒の話が宛てにならない!?】

CBTにはもう一つ、再現問題集に関する事以外にも大きな盲点があります。それはあなたの学校の合格点です。

一般的にCBTは65%を超えれば合格ラインだと言われておりますが、これも学校によって合格点は様々で、調べる限り最大で80%という学校もあるようです。

つまり、CBTで要求される勉強量は各学校で異なるという事です。
となると、他校の生徒の言っている合格ラインとなり得る勉強量というのは、あまり宛てにならない可能性が高い事が分かります。

では、ぎりぎりを狙わず、絶対かつ安全に合格をする、という事を目標にしていくのであれば、何を目指していくか。
それは、正答率80%以上を基準として勉強をしていく事が重要になるかと思われます。

そのため、CBTの勉強について調べていく時は、必ずどこまでやれば正答率80%に到達するかを調べていきましょう。
可能であれば、信頼できる先輩に何をどうやったかを聞いてみてもいいかもしれません。

参考までに、あなたの学内試験の順位が平均点くらいだと仮定して、80パーセントを取るには再現問題集を最新問題集も含めて3周し、
間違えた問題の一問一答集と解説のまとめを作り、予備校の講義をきっちり1周して復習までやれば怖いものはないでしょう。

勉強中

【最後に】

CBTの勉強は再現問題集を解くが主軸になるのは全国共通したやり方です。
しかし、それは大前提であって、場合によってはそこにプラスアルファをしなければ合格に至らないという厳しい学校もあるでしょう。

ただ、どんな場合にでも一つだけ言える事があり、それは最後の休憩時間が終わる瞬間まで頑張り続ける事です。
諦めたらそこで試合終了ですし、野球の練習をしない事には甲子園に出る事はかなわない。CBTも同様です。直前期の方々はそのつもりで手を動かしましょう。

これからCBTの対策を始められる方々は、ただの進級の為の試験という風には考えず、医師国家試験の中間試験と思って挑む必要性があります。
医師国家試験の中間試験としての立ち位置であるからこそ、
CBTとOSCEに合格した学生さんたちは、studentdoctorという称号が与えられ、準医師として病棟である程度の活動をする事が容認されるのです。

他にも、あなたが働きたいと思う病院がCBTの点数である程度マッチさせるかどうかを選考しているという事もあります。
人柄も勿論見られていると思いますが、やはりCBTの点数が低い人は国家試験でも合格しにくいという傾向は様々なデータが証明しています。
自分の将来の為にも、CBTの点数はより高みを目指すのがよいかもしれません。

もしCBTに対してどのように取り組めばよいか分からないという方は、国家試験予備校や個人指導を頼るのも手でしょう。
皆様がこの長いレースを無事に走り抜けますよう、心の底から応援しております。

著者プロフィール

ペンネーム:なつ
プロフィール:市中病院勤務の脳神経内科医。趣味は釣りと小説と東洋医学。臨床をこなしながら、
CES医師国家試験予備校で講師として「アウトプットする授業」をモットーとして学生の指導に
当たっている。僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。一緒に頑張りましょう!

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