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膠原病 〜症候群キーワード〜

今回は、膠原病分野の中でもマイナーなそれでいてよく出題される症候群のキーワードを並べてみました。試験本番まで余裕のない方は、試験用に丸暗記しておくのも一つの手です。しかし、卒業してからこれらの疾患を見つけられるようになると一流の内科医です。
また、本文では触れていませんが、膠原病分野での臨床問題の重要ポイントは、ずばり、SLEとリウマチ性多発筋痛症です。
SLEはなんといっても若い人に最多の膠原病です。最近では、選択肢4の解説であるようにANA negative SLE、抗リン脂質抗体症候群による若年脳梗塞や流産、高い家族内発症率(甲状腺疾患や溶血貧血などの自己免疫疾患)など話題に事欠きませんし、昔ながらの低補体をきたす疾患鑑別など定番です。
リウマチ性多発筋痛症は、実に地味な疾患ですが、高齢者には最も多いと考えられてきている膠原病です。整形外科的な異常が無く、ANAやリウマチ因子も陰性、もちろん筋生検でもリンパ球の浸潤などありません。CPKも正常です。ただ、不気味にCRPと赤沈だけが亢進しているという筋痛症です。比較的急性に発症し、膠原病よりもインフルエンザと紛らわしく、SARSじゃないか?などと鑑別にあがるような疾患です。また、側頭動脈炎合併がおおいのもキーワードでしょう。少量のステロイドが著効しますが、側頭動脈炎合併例には大量に使わないと失明します。インフルエンザも疑うのにステロイドを使うのは相当の勇気が要りそうです。

膠原病分野例題

次の疾患の症状で、間違っているものを2つ選べ
 1. CREST症候群-手指皮膚の硬化
 2. 心原性塞栓症Felty症候群-白血球減少
 3. Reiter症候群-尿道炎
 4. 新生児ループス-糸球体腎炎
 5. Churg-Strauss症候群-肺アスペルギルス感染症

例題選択肢解説

1. CREST 症候群
CREST 症候群は、強皮症(PSS)の限局型です。PSSといえばレイノー現象と腎硬化症ですが、それの軽いものと思っておけばいいのではないでしょうか。石灰沈着、レイノー現象、食道の拡張、手指の硬化、毛細管拡張でCREST 症候群といいます。腎障害のような臓器障害が含まれていない点にご注目です。ただし、抗セントロメア抗体という特異的な抗体が出現するので、国試的には狙われやすいかもしれません。
 
2. Felty 症候群
Felty 症候群は、関節リウマチ(RA)プラス 全身性エリテマトーデス(SLE)と考えられています。血球減少がみられます。
 
3. Reiter 症候群
Reiter 症候群は、仙腸関節炎に尿道炎を合併するものです。仙腸関節炎といえば強直性脊椎炎。強直性脊椎炎といえばHLA-B27でした。Reiter 症候群もB-27関連疾患です。ちなみに、Bechet病はB-51でした。
 
4. 新生児ループス
新生児ループスは大事な概念です。自己抗体を有する母親から生まれた子供に、心臓の伝導障害を起こし房室ブロックによる徐脈、心不全を起こす病気です。名前はループスとついていますがSLEのような腎障害などは少ないと考えられている新生児心臓病のひとつなのです。
原因は抗SS-A抗体だと考えられています。よく似た名前の抗SS-B抗体はシェグレン症候群(乾燥症候群)にかなり特異的な抗体ですが、抗SS-A抗体は、いろんな膠原病にでます。さらに最近、抗核抗体(ANA)陰性のSLEというのが話題になっています。抗SS-A抗体は斑紋型のANAになりますが、発現力が弱くELISAでなければ検出できないため通常のANA検査では陰性になりやすいということです。ANA negative SLEは、見逃しやすく、出産してからの新生児ループスで母親の診断がつくこともあるという疾患です。
 
5. Curg-Strauss症候群
Curg-Strauss症候群は、好酸球増加症および肺好酸球肉芽をつくる病気です。まるでアレルギー疾患のようですが、P-ANCA陽性の膠原病です。急速進行性糸球体腎炎の類縁疾患ということになります。(ちなみに、Wegener肉芽腫症はC-ANCAです。)一方、アレルギー性肺アスペルギルス症はアスペルギルス吸入によりゲホゲホいうアレルギーで、好酸球増加もみられます。日和見感染の、肺アスペルギルス症とは異なります。これらは言葉が紛らわしいので注意しましょう。
 
以上、間違っているのは4、5ということになります。
膠原病というのは他の疾患と異なり症候群です。検査結果イコール診断というわけにはいきません。医師になってからも、膠原病をみつけるのが好きなドクターと、大嫌いなドクターにわかれる疾患です。
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