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画像診断

今回は、画像を数多く見る機会の少ない学生が苦手とする画像診断について取り上げてみます。
画像診断は、検査値の把握と違って読影する医師の目が大切となります。検査値だったら正常値がありますが、画像にはそれがありませんので診断医の目利きがものを言います。
できるだけ多くの正常の症例を見てもらいたいものです。 ただ、読影はあくまでも異常な所見を発見することが大切です。あたかも心霊写真を見るようにベッドサイドで学生がこじつけて読影するようなことだけは避けましょう。
 
それでは、以下の4つの症例を診断してみてください。
いかがでしょうか。実際の臨床では、放射線診断医が読影のコメントをつけて各科に送るかたちになります。コメントに関しては、ただ診断名を記載するだけでなくどのような所見を呈したからこのような疾患が考えられるというような根拠もコメントしていただきたいものです。

症例 A

単純
造影早期
造影後期

Aの症例を検討しましょう。肝S4、8領域に内部がモザイク状の腫瘤影を認めます。
造影にて早期相では内部に強く造影効果があり、後期相になると内部の造影効果が抜け、皮膜が強く造影されています。この症例は、典型的な原発性肝癌の所見です。


症例 B

単純
造影早期
造影後期

Bの症例を検討しましょう。肝S6にLDAを認めます。造影にて早期相では辺縁が染まり、後期相では全体が染まっています。この後期の所見はPOOLINGといい、静脈相から成る血管腫に特徴的な所見です。これは肝血管腫の症例です。


症例 C

単純
造影

Cをみてみましょう。単純では、肝全体にLDAが多発した所見があり、造影にて辺縁が中心に染まっています。この症例は、大腸癌の肝転移の症例です。中心部が染まらないのは、壊死を起こしているからです。多発するような肝腫瘍は、転移性肝癌をまず疑います。


症例 A

単純
造影早期
造影後期

それではDはどうでしょう。この症例もCと同様にLDAが肝全体に多発しています。造影をしてみると、早期相では辺縁が、後期相では全体に造影効果が行き渡っています。この症例は多発性の肝血管腫です。
 
CTやMRIを行うにあたって、単純で腫瘍を疑うような所見をみつけたら、必ず造影をすることが鉄則です。造影をすることによってその特徴から鑑別が容易になる可能性があるからです。
 
特に、肝癌と肝血管腫の鑑別は重要です。これらの鑑別は造影をすれば一目瞭然です。
 
以上の症例の造影効果の特徴は、ぜひ理解して画像診断を行ってください。慣れてくると画像に触れることがきっと面白くなってきます。

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