臨床研修募集内容

公益社団法人 山梨勤労者医療協会 甲府共立病院 

  • 年収500万以上
  • 住宅補助・寮
  • 院内保育・託児所
  • 復職支援
  • 見学補助


ジュニアレジデントインタビュー

甲府共立病院
住所 〒400-0034 山梨県甲府市宝1丁目9-1
TEL 055-226-3131 FAX 055-226-9715
病院URL http://www.yamanashi-min.jp/kofukyouritsu/
ブログURL http://kennsyuu-ymin.blogspot.jp/

 

指導医に聴く

指導医 鶴田 真(まこと)
甲府共立病院小児科長 指導医
プロフィール 2004年に富山医科薬科大学(現 富山大学)を卒業後、甲府共立病院で初期研修を行う。2006年に甲府共立病院小児科で後期研修を行う。2009年に日本小児科学会 専門医取得。2016年に甲府共立病院小児科長に就任する。
所属学会・資格・その他役職 日本小児科学会専門医、日本小児科学会指導医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医、地域総合小児医療認定医など。

 

小児科を目指したきっかけをお聞かせください。

鶴田:初期研修のときに子どもたちが元気に帰っていく姿が印象に残っていました。入院するときは具合が悪かったお子さんが帰るときに元気に「バイバイ」と言って、こちらに心を開いてくれる様子を見ると、モチベーションに繋がったんですね。それで小児科がいいと思いました。学生実習のときも小児科が気になっていましたが、初期研修をして改めて小児科の良さが分かり、小児科を専攻しました。

 

甲府共立病院を選んだ理由をお聞かせください。

鶴田:学生時代に大学病院より、市中病院がいいと思っていたんです。私たちはマッチングの初期世代で、どういう制度になるのかが全く分からない状態だったんですね。私は民医連の奨学金をもらっていたこともあり、山梨、東京、神奈川といった関東近辺の病院で学生実習をしていたのですが、その中で山梨が一番、良かったんです。臨床実習を受け入れてもらったときの指導体制が2年上の先生方と5、6年目クラスの先生方というチームで、そういうチームを組んでいるところもいいなと思いましたね。私が甲府共立病院で初期研修をすれば、そこの1年目で頑張っている先生方が上級医となって指導してくださることが分かり、当院を選びました。

 

鶴田先生がいらっしゃる小児科の特徴をお聞かせください。

鶴田:午前も午後も一般外来を行うなど、病院の小児科でありながら、地域のかかりつけ医にもなれるようなスタンスで診療しています。入院で肺炎の患者さんを診たり、外来では喘息の患者さんも診たり、産婦人科で産まれた赤ちゃんの診療などもします。乳児健診や予防接種などもしつつ、管理をしている患者さんの具合が悪くなったら、入院も自分たちで診ます。

特徴はもう一つあります。今、発達障害の子どもが増えていると言われていますが、当院には以前から小児リハビリの部門があり、自閉症や広汎性発達障害と言われている子どもや、数は少ないですが、脳性麻痺の子どものリハビリを行っています。当院と石和共立病院、巨摩共立病院でリハビリに通っている子どもを合わせると700人前後いるんです。山梨県には療育施設が少ないので、非常に重要な役割を果たしていると思います。したがって、一般診療とリハビリができるのが大きな特徴ですね。

 

甲府共立病院の初期研修の特徴もお願いします。

鶴田:研修全体で言うと、幅広く色々な病気を診るというのが特徴です。また、複数の疾患を持った患者さんを、心臓や肝臓といった臓器にこだわらず、系統立てて、全体を診ることです。医局が一つしかないので、コンサルトや連携が取りやすいんですね。昼食時などに外科や整形外科の医師に話を聞きやすいですし、内科の研修が終わって、外科に行ったとしても、机はずっと一緒のままで初期研修を継続できるので、人間関係のストレスが少ないのではないかと思っています。制度上、初期研修医を主治医にすることはできないのですが、なるべく主治医に近い形で、患者さんの診療に責任を持ち、自分で検査や治療、退院後のプランを考えてもらうようにしています。人は責任を与えられないと成長しません。初期研修医に仕事をさせすぎでもいけませんが、そのさじ加減を複数の目で見ながら、初期研修医が自分で考えて、行動できるようにサポートしています。
 それから地域のお祭りでの健康相談や病院主催の健康祭りなどの行事や訪問診療が挙げられます。訪問診療では脳梗塞の患者さんが退院するときに、自宅の手すりをどう付けるか、階段の段差をどう解消するかなどを同行して学ぶ機会があるんですね。患者さんが暮らしているのは病院ではなく、自宅や施設ですが、そういうところに訪問する機会はなかなかないので、私も初期研修では勉強になりました。病院として、地域で診ることを心がけています。

 

甲府共立病院が力を入れているプログラム内容をお聞かせください。

鶴田:診療そのものではなくて、予防や健康維持のための地域へのヘルスプロモーションに力を入れています。救急外来での診療の質を保つ努力も当然、行っていますが、そこに至るまでの過程や至ったあとでどうするのかを意識しています。患者さんが病院に来る前はどうだったのかを考えながら、患者さんを取り巻く環境を見るようにしています。

 

初期研修医の人数は何人ぐらいですか。

鶴田:1年目は5人で、2年目が3人です。毎年、思うことですが、同じ学年の初期研修医の顔を見ても、それぞれの個性が際立っていますね。積極性があると判断される人、逆に消極的だと言われる人もいます。課題を与えるとよく考えてレポートを書く人もいれば、サラサラと書いて済ませる人もいます。手技を積極的にやるタイプは自分の体験をもとに学習していくので、なるべく体験をさせますが、奥手で、手を出しにくいけれど、よく考える人には事前学習を多めにさせて、そのあとの文献検索や論文で深めるような指導を心がけています。

 

初期研修の2年が終ったら、皆が同じようなレベルに到達するのですか。

鶴田:身につけてほしい血管確保の手技や最低限のマネージメントといった、基本的な臨床能力はしっかり鍛え上げていますので、大丈夫です。そのプラスアルファで研修医の個性がどう伸びるかはそれぞれですね。

 

指導される立場として心がけていらっしゃることを教えてください。

鶴田:初期研修医の自主性をなるべく尊重しています。私たちも研修医の頃好き勝手なことを言っていたので、彼らの意見を引き出せるようにしたいんです。また、初期研修医の一面だけを見て決めるのではなく、何を考えて、どういう事情だから、こういうことをしているんだろうという、彼らの根っこの部分を理解し、それぞれのタイプに合った指導ができるように模索しています。

 

カンファレンスの様子をお聞かせください。

鶴田:色々なカンファレンスがあります。医局カンファレンスは第1、第3木曜日の午後、医局員全員に対して、患者さんを提示するものです。参加率はまちまちですが、科を問わず、参加しています。先生方に初期研修医の症例を知ってもらうことと色々な視点でフィードバックをかけてもらうことが狙いです。それ以外は朝のカンファレンスですね。初期研修医は毎朝9時から30分間、カルテチェックを受け、当日の検査や治療プランを上級指導者と確認します。毎朝8時15分から30分ぐらいまで、救急外来の残っている患者さんや救急外来から入院した患者さんのカルテチェックを一緒にしていますね。また、火曜日の午後は指導医カンファレンスといって、指導医からのレクチャーを受ける時間になっています。

 

当直体制はいかがですか。

鶴田:最初は副直という形で、当直の指導医について、患者さんの診療を見学したり、当直室の使い方を教えてもらいます。何度か経験したら、診察室の後ろに指導医が控えている状態で、軽症の患者さんを診ます。そのうちに指導医が隣の部屋で待機するようになり、今度は医局で待機するようになります。このステップを踏んで、一人前扱いとなるんです。当院は当直を前半と後半に分けていて、2人の医師を配置しますから、研修医が一人になることがありません。昔は2診待機や医局待機の基準が曖昧だったのですが、今は当直の評価表があります。評価表をもとに医局会で確認して、「次はこういこう」というふうに、システマティックになってきました。今の20年目クラスの医師が研修医の頃は9月には一人でしていたと聞いているので、時代とともに変わっているんでしょうね。私は12月に独り立ちしました。ランクが上がった気がして、嬉しかったですね(笑)。今の初期研修医は月に4回から6回の当直を行いますので、多くの患者さんを診ています。重症で心肺停止といった、いわゆるショックで運ばれてくる人もいれば、歩いてくる人も来ますし、ただの酔っ払いも来ます。途中で心臓が止まった人や行き倒れて行き場のない人、様々ですね。ただ、今は救急が整理されたので、子どもは小児救急の輪番病院が全て診ています。

 

「こんな研修医がいた」というエピソードがあれば、お聞かせください。

鶴田:予想しないことをする研修医が一番記憶に残っていますね。私が当直で頑張っているときに、友達と飲みに行き、「先生、酔っ払ってしまいました。点滴をお願いします」と救急外来に来た研修医は思い出に残っています(笑)。院長が来る回診にも遅刻をしていました。でも外科研修では見違えるように真面目になり、今は立派な指導医になっています。おそらく外科で変わるきっかけがあったんでしょうね。患者さんやスタッフから信頼される能力を発揮していったんです。当時、一緒に指導したもう一人の研修医も記憶にあります。私が上級医として指導した初めての人たちですから、印象に残りやすいんでしょうね。

 

研修医と飲みに行かれたりすることはありますか。

鶴田:私はお酒が苦手で、飲み会があまり好きではないんです。3年目ぐらいまでは行っていましたが、妻も医師で、子どもも3人いますので、なかなか時間がないですね。夫婦で当直や時間外勤務もしていますので、余裕のない状態です。

 

小児科医でいらっしゃるので、お子さんの病気にはすぐに対応できますね。

鶴田:看護師さんのお子さんなど、「こんな発疹があるんだけど」と写真付きのメールで相談されることはありますね。当院を卒業して他院に行った女性医師が最近、出産し、ワクチンの相談を受けたこともあります。年賀状のやり取りぐらいしかしていなかったので、頼りにしてもらえたことは嬉しかったですね。

 

県や自治体などの小児救急に電話をかけてもいいものなのでしょうか。

鶴田:かけるのは問題ないです。山梨県の場合は全県一丸となって救急事業を頑張っているので、開業の先生方も病院の小児科の先生方も大学病院の小児科の先生方も皆、救急センターの勤務をしています。一次救急、二次救急、三次救急の役割分担もできています。人員としてはタイトですが、余程、高齢の先生でなければ、ほぼ全員、参加しています。病院勤務医と開業医の連携は珍しいのではないでしょうか。これを立ち上げたときの教授と医師会の先生方の尽力のお蔭です。

 

先生の研修医時代はどのようにお過ごしでしたか。

鶴田:新しい臨床研修制度が始まった第一世代だったんですが、当院はもともと3年間のローテート研修をしていたので、期間が若干、変わったということとローテートできる選択肢が少し増えたことになりました。精神科や皮膚科など、当院にはなく、関連のなかったところにもローテートできるようになったんですね。私は小児科に行きたいという前提や目的意識がある中で、皮膚科や耳鼻咽喉科で子どもの皮膚疾患や中耳炎を診る機会をいただいたことが良かったです。ただ、それまでは1学年が4、5人だったのが7人にいきなり増えたので、指導する側は大変だったと聞きました。今より研修システムが大雑把で、当直の独り立ちの時期も早かったですし、病棟に指導医がいないこともありました。そんなときは外来に行って、患者さんの診察の隙間をぬって指導医に質問していましたね(笑)。2、3年が経つにつれ、病棟に必ず上級医や指導医がいる体制ができましたし、今は総合診療部の病棟に必ず一人の指導医が常駐する形になっています。

 

現在は初期研修の間にプログラムを途中で変更することは可能ですか。

鶴田:外科を回る予定だったのを整形外科に変えるなどは時々あります。回る科や指導医との打ち合わせは必要ですし、事務担当者も苦労していますが、なるべく要望に沿うようにしています。他院での初期研修が色々な事情で中断になった人が当院で再開した例もあります。そのときは他院で行ったプログラムの残りを当院でするという形でした。

 

現在の臨床研修制度についてのご意見をお願いします。

鶴田:私のように、小児科を学びたいと決めていて、小児科に役立つような他科を少し勉強しておきたいと思う医師にとってはとても良い制度です。いきなり小児科に行くよりは産婦人科や眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科を回っておいた方が都合がいいです。診療所などの地域研修ではそこでの子どもの健診や予防接種も経験できたし、私自身はこのような研修の方が好きですね。でも、それもタイプによります。一つの道を究めようと最初から突っ走っていきたい人もいますから、初期研修医ごとの希望に添えるシステムがいいシステムでしょう。山梨県内では大学病院に小児科専攻プログラムや産婦人科専攻プログラムがありますが、そういうのもいいですね。それに、1、2カ月という短い期間に指導医や周りのスタッフ、診療の内容が変わるのは精神的にストレスになることに注意しなくてはいけません。当院のように、どこに行っても顔見知りだと気楽ですが、大きい病院では大変だろうと思っています。

 

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

鶴田:当院は患者さんを診るにしても、手技にしても、色々な経験ができますよ。手技に関しては初期研修医に手を出してもらえるように意識していますから、技術の習得に繋がるはずです。訪問診療、往診、予防活動といった、地域に出る活動もあります。医局の雰囲気も良く、看護師さんや臨床検査技師さんとも顔見知りになり、仲良く仕事ができるようになります。見学に来ていただけると、スタッフ同士の仲の良さは実感できると思います。

 

見学でのポイントを教えてください。

鶴田:事務職員や指導医がいないところで、初期研修医に「本音のところはどうですか」と、こっそり聞いてみてください(笑)。彼らは公衆の面前では言えないようなことを考えているかもしれないので、生の声を聞いてほしいですね。医学生の実習では医局で皆でカレーを食べることがあります。医局の秘書さんや友の会の人たちが作ってくれて、そこで話したりもするんです。それから私たちもそうだったのですが、卒後6年目までの医師で、青年医師の会というグループを作っていて、月に1回、困りごとを相談したり、飲みに行ったりもしています。皆さんもそんな場所で初期研修医の本音を尋ねてみて下さい。

 

鶴田先生のときは皆さん、どのぐらいのタイミングでマッチングの本命の病院を決めたんですか。

鶴田:多分、夏休み前に本当にマッチングをするということが分かった記憶があるので、皆、6年生の9月か10月ぐらいに決めていたと思います。

 

今は4年生で動いている人もいますが、早めに行動した方がいいのでしょうか。

鶴田:私はいいと思いますよ。色々な病院に行き、地域性、病院の理念、スタッフなど、見るべきポイントは豊富にあるので、比較してみてください。しかし、見学と実際の評価はまた違います。最終的にはサイコロを振ってみないと分からないですね。

 

最後に、甲府共立病院のPRをお願いします。

鶴田:当院での初期研修で一般的な手技と疾患の知識が身につくのは当然ですが、病院の他職種の人たちとどんなふうに診療をしていくのかといった姿勢も学べます。地域の患者さんとの接点も持てますし、世代を超えた「青年医師の会」でバックアップしてくれる先輩たちとの繋がりもできますので、当院に是非、いらしていただきたいと思います。「健康まつり」でのドクターズカフェは3年ほど続けて出店しています。役員や地域の皆さんからも好評で、制服やエプロンなどの衣装も揃えているんですよ(笑)。楽しいので、一緒にやりましょう。当院の初期研修医の「がんばれ研修医!!」というブログもどうぞご覧ください。初期研修の様子を載せています。

初期研修医ブログ「がんばれ研修医!!」URL:http://kennsyuu-ymin.blogspot.jp/

 

 

 

研修医に聴く

ジュニアレジデント 塚原恭平 研修医
出身 山梨県南都留郡富士河口湖町
出身大学 獨協医科大学
卒業年度 2014年
ジュニアレジデント 佐藤ともや 研修医
出身 北海道札幌市
出身大学 山梨大学
卒業年度 2015年

 

 

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

塚原:普通のサラリーマンになるよりは何かのプロフェッショナルになりたかったんです。それで興味のあった医療の仕事がいいと思ったのですが、祖父が病気で亡くなったことを受けて、医師になろうと決意しました。

佐藤:私も中学生の頃に祖父が病気になったのがきっかけです。祖父は脳幹部に腫瘍ができ、本来なら手術ができないところでしたが、手術をしてくださった先生が取れる部分だけを取ってくださったんです。そのときの技術では限界までやってくださったと聞きました。私はその頃、法学部への進学を考えていたのですが、その先生が「まだ若いんだし、やる気があるんだったら、私たちの後に続くつもりで脳神経外科をやってみたらどうか」と勧めてくださったんです。それで医学を勉強したいと思い、医学部を目指しました。

 

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

塚原:勉強は大変でしたが、それだけではなく、遊びに行ったり、旅行に行ったりもしていました。一人暮らしでしたので、自由もありました(笑)。友達は色々なところから集まってきていて、大学での実習も仲間と一緒にやっていたという印象が強いですね。

佐藤:体育会系の部活動に入ったんですが、教えることが好きなので、塾講師のアルバイトを始めました。でも週に何コマか講義があり、時間的な制約が大きかったので、部活動を辞めざるをえなくなったんです。部活動と並行して、介護が必要な方へのボランティアをしていたんですが、色々な人と交流できる機会が私に合っていたので、そちらの活動を続けていました。ボランティアをしていると、色々なところから「こういうボランティアがあるけど、やらない」という声がかかってきます。甲府市からも要請されましたし、あるボランティアで、テレビの全国放送に出たこともあります。「思い出宅配便」というもので、故郷に帰れないパーキンソン病の患者さんの代わりに私たちがその故郷に行き、昔の友人たちに会ってインタビューしたり、ビデオを録ったり、写真をアルバムにして渡したんです。それが評価されたんですね。温かい番組でしたし、震災後ということもあり、4回ぐらい再放送されました。大学からも「貢献賞」をいただきました。学生生活の中で一番、輝いていた思い出です。

 

大学卒業後、大学病院ではなく、研修先を甲府共立病院に決めた理由をお聞かせください。

塚原:大学病院は初期研修医が多いので、一つのすべきことを初期研修医が取り合いになったときに、「じゃ、私が」と言える自信がなかったんです。大学病院は自分自身を制することができて、積極性があり、無謀ではなく、できると理解したうえで取り組める人が伸びる場ですが、私は埋もれてしまいそうな懸念がありました。私を分かってくれて、私の個性を認めてくれる市中病院の方が良かったですね。大学病院だと手技や症例など、初期研修医ができることが少なくなりますが、初期研修医の間は大学病院のようなアカデミックな部分よりはプライマリケアを学ぶことが必要だと考えていました。私は山梨県出身なので、以前から山梨県で働きたいという希望があったんです。それで山梨県全体の合同説明会に参加し、話を聞いてみようかと思っていたら、「医学対」という事務スタッフから実習に誘われたんです。その実習でいいなと感じました。色々な病院に見学に行ったのですが、甲府共立病院の雰囲気が私に合っていて、自分が働いている姿をイメージできたんですね。

佐藤:私も合同説明会がきっかけでした。甲府共立病院のほか、山梨大学医学部附属病院、山梨県立中央病院、市立甲府病院、山梨赤十字病院の合同説明会で、病院ごとに2人の説明者がいらしたのですが、メインで説明される方の第一印象がとても良かったんです。病院のカラーがうまく伝えられた説明を聞くうちに、この病院は絶対に良い病院だと思って、見学に行くことにしました。

 

甲府共立病院に見学に来られたときの印象はいかがでしたか。

佐藤:良い先生方ばかりで、ツンツンした先生が全くおられませんでした。皆さん、優しいというのが第一印象で、さぞ働きやすいんだろうなと思いました。その印象で、当院に決めたとも言えますね。

 

甲府共立病院での初期研修はイメージ通りですか。

塚原:イメージ通りですね。ギャップを感じたことはないですし、私が思っていた通りの研修です。雰囲気も実習したときのままだと思います。

佐藤:私もイメージ通りです。むしろ「こんなに揃うんだ」というぐらい、良い先生方ばかりです。母校の大学病院とは少し違う雰囲気がありますね。

 

佐藤先生は北海道出身ですが、北海道へは帰らず、山梨に残った理由は何ですか。

佐藤:大学時代を山梨大学で過ごして、山梨は人口の面からも暮らしやすいと思っていたからです。私は生まれこそ北海道ですが、育ちは千葉県なんです。関東という選択肢もあったのですが、人口密度の高いところが苦手だったので、山梨に残ることにしました。

 

プログラムの自由度はいかがですか。

塚原:自由度の面から言えば、診療科数の多い大学病院に劣ります。当院の内科は総合診療科、消化器、循環器に限られていますし、マイナー科も少なく、回りたい科の制限がありますね。

佐藤:私は自由度が高いと思います。選択科目は融通が利きますし、意見も通りやすいです。

 

どういった診療科をローテートされていますか。

塚原:1年目は最初の半年は内科で、外科、産婦人科、小児科を回ります。2年目ではリハビリテーション科や皮膚科などのマイナー科を回っているところです。2年目の10月に診療所研修があり、本当に楽しかったですね。診療所では上級医やコメディカルスタッフだけでなく、患者さんたちもアットホームでした。地域全体の健康志向を高めるための取り組みを全体でやっていくことが面白かったです。

佐藤:これまでは総合診療科を回っていて、10月に終わったんです。最初は総合診療科から始まり、それから外科や他科に行く人もいますが、私は総合診療科を継続し、半年の間、みっちり内科を研修したあとに外科を3カ月、回っています。

 

総合診療科を実際に経験してみて、いかがですか。

塚原:大学病院の総合診療科は外来の窓口なんですね。よく知られているように、主訴だけで来る患者さんの診断を突き詰め、診療科に回す役割です。私はその側面ではなく、過程の部分こそが本質だと感じました。医学教育の内容や診療所などで地域全体の健康志向を向上させたりといったことですね。当院は全科当直ですから、骨折などの外傷も診ますし、何でも診ます。大変ですが、初期研修医がつけるべき知識です。縫ったことや骨折を診たことのない内科医だと独立して診療所を開いたときに困ることになります。専門分野で頂点を極めようとする医師も必要ですが、大半の医師は皆から見える医師なのです。その力を当直でつけていかないといけません。明らかなオーバーワークならやるべきではありませんが、私はオーバーワークになっていませんので、魅力に感じています(笑)。

佐藤:ほかの病院の総合診療科は最初に診て、診療科への振り分けをする役割が大きいのですが、当院の総合診療科は自分たちで何でも診ようというスタンスなので、最初は大変でしたね。検査、見るべきポイント、治療などが多く、3科や4科にまたがった疾患を診ますので、キャパオーバーになりがちでした。

 

佐藤先生は総合診療科を継続されたのには何か理由があるんですか。

佐藤:1年目の回り方をあらかじめ決めるんですよ。最初の2カ月は辛いなと思いつつ、4カ月継続でした。

 

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

塚原:甲府共立病院のみならず、市中病院全体に言えることかもしれないのですが、指導医の先生方が初期研修医全員の顔と名前をご存じで、バックアップがあるのが有り難いですね。初期研修医のキャラクターや到達度を分かっておられ、どういう指導をするべきかが病院全体に伝わっているのは中小病院ならではの良さでしょう。医局が一つなので、仕事やプライベートな話をフレンドリーにしてくださいます。直接の指導医の先生ではない方にも面倒を見ていただけるのもいいですね。

 

甲府共立病院での初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

佐藤:内科的管理がしっかり学べたことが一番良かったですね。当直するうえでもとても役に立っています。

 

何か失敗談はありますか。

塚原:当直や救急でできなかったことは色々とあります。骨折を見落としたり、肺炎を風邪と思ってしまったようなことですね。そういう経験をしたことで、こういうことはしないようにしようとか、こういう観点で診ていこうという教訓を得ました。また、そういう情報を同期や後輩に伝えるようにしています。

佐藤:総合診療科では限られた時間の中でしなくてはいけないことが多く、たまに「もう駄目だ」と思ってしまうときがありました。期日までに書類や発表のスライドができないということなどですね。スライドは結局、乗り越えられませんでしたが、書類などの仕事は夜遅くまで残って、何とか終わらせました。

 

当直の体制について、お聞かせください。

塚原:段階を踏んで、レベルアップしていくんです。初期研修医はまず副直という形で、正規の当直が2人いるところで見学します。次は診察室の外ですぐに相談できる形になります。それが大丈夫になったら、隣の診察室に正直の先生が待機します。最後は正直の先生が医局で待機します。困ったときには呼べますし、1時間後ぐらいに「どう」と見に来てくださることもありますね。私は2年目の5月に正直になりました。今は二次救急の当番日に3人の当直医の中の1人として入っています。

佐藤:当番日と当番日以外の日があります。当番日以外の日は基本的に3人です。初期研修医が副当直で、正直医の当直医とあと1人です。正直医は前半と後半に分かれていることが特徴です。1年目の初期研修医は副直として、正直の指導医の先生と2人で入り、ほぼマンツーマンで教えていただきながら当直しています。

 

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

塚原:当院の初期研修の特徴は総合診療科ですし、山梨県全体の総合診療科が集まるカンファレンスを当院主体で行うこともあります。同じ民医連の立川相互病院の総合診療科との症例のカンファレンスもありますが、ほかではあまり聞かない個性的なカンファレンスですね。交流も深まりますし、ほかの病院がどういうふうにしているのかを学べるのは勉強になります。

佐藤:総合診療科のカンファレンスは「チャートカンファレンス」という名前が付いています。その名前のごとく、初期研修医がしようとしている診療への指針をくださるカンファレンスなんです。総合診療ならではの多角的な目で質問されますから、頭も使いますし、ここまで手が届いていなかったということも分かります。プレゼンテーションの技術も身につきますね。私にとってはプレゼンテーションが課題です。人に正確に物事を伝えるのは大変ですね。

 

現在の臨床研修制度に関して、ご意見をお願いします。

佐藤:自由度が高いという意味では、自分で選択してプログラムを作っていけるので、現代のニーズに合っていると思います。

 

後期研修はどうされる予定ですか。

塚原:総合診療科に進もうと思っています。診療科での実地研修がとても楽しくて、私に合っていることもありますし、当院で初期研修をしたことも大きいです。当院はほかの病院よりもソーシャルな部分に目を向ける力が養われるプログラムになっています。困っている患者さんや社会背景が複雑な患者さんを見捨てず、そういう患者さんが集まる病院ですから、私も経験を積んでいく中で、解決力がついてきました。同時に、そうした医療が合っているとも感じたので、今後も総合診療科でそういう仕事をしていきたいです。

佐藤:私は呼吸器科志望なのですが、当院では呼吸器科の後期研修ができないので、他院に出る予定です。呼吸器科の後期研修を終えてから、今後のキャリアを考えることになっています。呼吸器科を目指す理由は私自身が3年前に成人発生型の気管支炎喘息になったことです。小児型と異なり、なかなか完治できず、ずっと付き合っていかなければいけません。患者さんと話すときも第一声が出ないこともあって、苦しいですね。呼吸するうえで循環器と呼吸器は大事な臓器ですし、心不全でも呼吸が苦しくなることもありますが、呼吸器系から来るものもかなり辛いことが分かりました。老齢になると肺炎になったり、心臓も弱ってきますが、山梨県内には呼吸器科のある病院が少ないので、広げていきたい意味もあって、以前から呼吸器科を志望しています。

 

後期研修の情報収集などは、どのようにされているのですか。

佐藤:山梨県内の情報は自然に回ってきますね。当院の院長からも呼吸器科のいい病院を教えていただいたりしました。

 

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

塚原:私は当院に残るので、これからの初期研修医を教える立場になりますが、私は教えることが好きということもあって、総合診療科に行きたいと思っています。色々な病院に色々な医師がいますが、教育理念を持っているか、いないのかが重要です。甲府共立病院には教育理念をお持ちの先生方が多いです。ある診療科で一生を過ごし、アカデミックな部分でトップに立ちたいという人以外はこういう中小病院で裾野の広い勉強をし、一人前とまではいかなくても医師としての礎を築くのが一番です。いらしていただければ、私も含めて、皆で一生懸命、教えます。教える側に一生懸命さがあるところも他院に比べて良いところですね。

佐藤:初期研修医の人数が少なく、手技の機会が回ってきやすいので、経験している手技が周りよりも確実に多くなるところがメリットです。当直に入る回数が多く、各科に分かれていない全科当直なので、あれもこれも経験できるのも強みです。早く一人前になりたい方にはお勧めの病院です。