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ハッピー♡マッチ
崎長 ライト  編集:杜 美樹  挿絵:羽野 ねねこ
第三部 出会いと別れ 春 第九話 桜
2017.03.03

 今年の桜はきれいです。
 先週、菜々さんとアオイちゃんが、ヒッキー(引きこもり)なあたしをお花見に連れていってくれました。有名な花見どころではありませんでした。何の変哲もない小さな川べりにシートを敷いて座りました。菜々さんが携帯用のコンロを持ってきてくれて、桜の木の下で、たこ焼きを焼いてくれました。

「今や、今、ひっくり返すんや、つばきちゃん」
先の尖った千枚通しで、くるりと丸い生地をひっくり返しました。
「うわっ、タコが飛び出た、アハハー」
あたしが、笑うと、菜々さんもアオイちゃんも少し悲しそうに笑ってくれます。
「無理に、はしゃぐことないやん」
「そうだよ、無理しないで」
 確かに大失恋のあたしに気を使ってくれるのはありがたいのですが、ちょっと無理しているのはアオイちゃんのような気もします。

 広瀬すずが、シーブリーズで汗をふこうとするが、間違ってトイレクイクッルで汗を拭いたシーンの物まね。
 広瀬すずが、映画『ちはやぶる』で、カルタを取ろうとするが、間違って、たわしを取ってしまうシーンの物まね。

 さっきから繰り返し、ネタをやってます。わたしを元気づけている? だけでなく、コンパのためのようです。
最近、アオイちゃんは、ちょっと感じが変わってきました。
ベリーショートから髪を伸ばし、広瀬すずを意識してか、髪型を似せてます。性格も、カラっと明るくなった気がします。国対委員やバスケットのキャプテンが終わったせいもあるのでしょうか。眉間に皺を寄せたり、悲壮感ただよった感じで、
「みなさ〜ん、国対委員からのお知らせですがー」
「もうすこし、みんなで、ご協力くださいー」
と、声を張り上げる場面も見なくなりました。
一言でいえば、しっかり者ではなくなりました。
まじめであろうとか、人をまとめようとか、優等生であろうとか…する努力が見られなくなりました。それは、決して悪い方向ではないと思います。
 以前からあたしといるときは、ぶっちゃけていましたが、外ではまじめでした。今は外でもぶっちゃけた感じになりました。

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著者プロフィール

崎長 ライト
崎長 ライト
長崎大学病院 医療教育開発センター長 浜田久之(内科医)
長崎県生まれ。

医者になりたかったのに、なぜか高校時代は文科系で、読書好きのラガーマン。浪人、大学中退、放浪、バーテンダー…、予備校講師を経てやっと医大生。

医学生時代は、学習塾経営。学生結婚しました〜。学習塾は大繁盛しバブル時代を謳歌しましたが、自分の成績は悪く、最後の模試は105人中100番(汗)。いい仲間のおかげで助けられて、何とか卒業しました(涙)。
初期研修は大学病院で、その後様々な地域の病院で一生懸命働きました、勉強もしました。引っ越し回数20回以上!市中病院の総合診療科病棟の立ち上げ後、トロント大学に家庭医学と医学教育を2年間学びました。これが、人生の転機となりました。 研修医教育(≒マッチング業界)歴は、15年くらいです。ほぼ毎日、1年次研修医の外来研修を熱血指導(半分嫌がられてますが…)しています!

資格:博士(医学)、博士(教育)、消化器病専門医、プライマリケア学会専門医など
趣味:思案橋でハイボールを飲みながら、世間話。特に、ジャニーズや芸能ネタは好きです(笑)。
小説:『小さな世界平和』 (※長崎新聞社新春小説大賞佳作)
   『フルマッチ』

著者より一言:アクセスしてくれて、本当にありがとうございます!超〜、感謝です。
       ハッピーの積み重ねを感じる力が大事(長崎大学病院 医療教育開発センターWEBサイトより)