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ハッピー♡マッチ
崎長 ライト  編集:杜 美樹  挿絵:羽野 ねねこ
第二部 実家 冬 第八話 クリスマス(BY つばき)
2016.12.16

 あたし達は、無敵です。
 パジャマの上に、しまむらのモコモコのフリースを羽織り、すき家で「とろ〜り3種のチーズ牛丼」と「高菜明太マヨ牛丼」を買った後、意気揚々とツーブロック先のローソンへと向かっています。もちろん、すっぴんで、足元のおしゃれは、オペ室にあるようなビニールサンダルの赤と青です。小物としては、ビニール傘で決めています。ドン小西のファッションチェックなら『5つ星・ドン!』。
 小雨は上がったようです。傘をたたみ歩きます。
あたしは、酔ってま〜す!
「ヒクッ。すき家の店員さん、結構、イケメンだったよねー、ヒクッ。ヤス君に似てたよねー。なんか、あたしのこと、じっと見つめていたよー」
「そうそう、絶対、あの店員、つばきに惚れている。昨日行ったときもそう思ったもん。なんかー、そわそわしてたもん」
「でしょー。ヒクッ。明日行ったら、百パー、告られるよねー」
「『三日連続チーズ丼の方…、僕、好きです、付き合ってください』」
「えっ、なんて、返事すればいいの。マジやばい。ヒクッ。『わたしは、医大生だから、恋愛禁止なんです。ヒクッ。あたしのこと嫌いになっても、関東医科大のことは、ヒクッ、嫌いにならないで下さい!』」
「いい、それいいー。ちょっと、古いけど。サイコー」
 アオイちゃんは、ヒクッ、ふらふらと歩いてます。白いビニール傘を杖がわりに、すき家の袋が揺れます。大丈夫かなあ〜、牛丼。ヒクッ。

 ヒクッ。しゃっくりが止まりません。あたしたちは、クリスマスイブの昼間から酒をあおり、ぐてんぐてんになって、眠りこけました。起きたら、イブの夜です。お腹がすいたので、買い出しに出ているのです。ヒクッ。
 突然、アオイちゃんが、走りだしました。
 えっ。
 追いかけます。あれっ。信号の手前で、アオイちゃんがビニール傘を落として、うーっと唸り声をあげて、うずくまりました。
 えーっ!
 あたしは、走り寄ります。
「アオイちゃん、大丈夫!」
 ワ〜!
アオイちゃんが叫びながら立ち上がりました。
「アオイちゃん、大丈夫?」
「しゃっくり、止まった?」

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著者プロフィール

崎長 ライト
崎長 ライト
長崎大学病院 医療教育開発センター長 浜田久之(内科医)
長崎県生まれ。

医者になりたかったのに、なぜか高校時代は文科系で、読書好きのラガーマン。浪人、大学中退、放浪、バーテンダー…、予備校講師を経てやっと医大生。

医学生時代は、学習塾経営。学生結婚しました〜。学習塾は大繁盛しバブル時代を謳歌しましたが、自分の成績は悪く、最後の模試は105人中100番(汗)。いい仲間のおかげで助けられて、何とか卒業しました(涙)。
初期研修は大学病院で、その後様々な地域の病院で一生懸命働きました、勉強もしました。引っ越し回数20回以上!市中病院の総合診療科病棟の立ち上げ後、トロント大学に家庭医学と医学教育を2年間学びました。これが、人生の転機となりました。 研修医教育(≒マッチング業界)歴は、15年くらいです。ほぼ毎日、1年次研修医の外来研修を熱血指導(半分嫌がられてますが…)しています!

資格:博士(医学)、博士(教育)、消化器病専門医、プライマリケア学会専門医など
趣味:思案橋でハイボールを飲みながら、世間話。特に、ジャニーズや芸能ネタは好きです(笑)。
小説:『小さな世界平和』 (※長崎新聞社新春小説大賞佳作)
   『フルマッチ』

著者より一言:アクセスしてくれて、本当にありがとうございます!超〜、感謝です。
       ハッピーの積み重ねを感じる力が大事(長崎大学病院 医療教育開発センターWEBサイトより)